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事業再生コンサルタントと経営コンサルタントの違い

世の中にはさまざまなコンサルタントを名乗る人がいますが、中でも「事業再生コンサルタント」は最も難易度が高いとも言われています。ここでは「事業再生コンサルタント」と「経営コンサルタント」の違いについて、業務内容などを紹介しながら解説します。

事業再生コンサルタントの業務内容

事業再生コンサルタントはその名の通り事業再生を支援するコンサルティングを行います。経営環境の変動や悪化に伴い業績が悪くなった会社や財務状況が悪化した会社に対して財務や事業などの多角的な観点から現状を分析し、窮境要因の究明・解決策の提示などを行います。自助努力で改善が見込まれる場合には改善策の提示や実行の支援を行いますが、場合によっては金融機関などの債権者交渉・調整などを行うこともあります。

また、中にはハンズオン型の支援を行う事業再生コンサルタントもいますが、その場合には自らが経営陣に入り企業のリストラクチャリングを進めます。

そもそも事業再生とは

事業再生とは、さまざまな理由によって事業継続が困難になった企業に対してリストラクチャリングや資金調達などの対応により抜本的な立て直しを行っていくことをいいます。得意先・仕入先との取引継続や雇用の維持のため、事業における採算性や生産性の見直しを行いながら会社全体の再構築に取り組んでいきます。

「企業再生」という言葉もあり、事業再生は事業に着目した再生・企業再生は企業に着目した再生と使い分けられるシーンもありますが、基本的にはどちらも同じように会社を立て直す手続きを進めていくことである、と理解しておけば大丈夫でしょう。

事業再生コンサルタントが解決できる課題

事業再生コンサルタントが解決できる課題としては、「企業の倒産・廃業を防ぐこと」が挙げられます。これが目指すべきゴールであり、その目的は「爆発的に売上を上げる」でも「獲得利益を何倍にも増やす」ことでもありません。

もちろん事業再生を行うプロセスにおいて売上向上や利益拡大が必要になる場面もありますが、これはあくまでも過程であって目的ではありません。目的は企業・事業の継続なのです。

経営コンサルタントとの領域の違い

事業再生コンサルタントも経営に関するコンサルティングを行うことがありますが、その場面は一段と厳しい状況になるでしょう。その企業で長く経営してきた社長が、またその事業に精通している経営陣が苦しんでいる状況の中、枯渇していく経営資源を駆使してどのように再生を図るかを分析・提案していく必要があるため、事業再生コンサルは数ある他のコンサルティングに比べると圧倒的に難易度が高いと言われています。

一方で経営コンサルタントは「思ったように業績が伸びない」「意思決定に明確な根拠が持てない」などの経営に関する悩みの解決を支援するコンサルタントですので、「広く浅く」というイメージの守備範囲になってきます。

相談・依頼するコンサルタントはどれが適しているのかについては場面によって変わってきますので、倒産の危機にあるような状況であれば事業再生コンサルタント、経営の相談相手が欲しい場合には経営コンサルタントのように目的に応じて使い分けるとよいでしょう。自社の状況や経営者として抱えている悩みを踏まえて、どのコンサルタントに相談するかを検討して見て下さい。