愛知県のコンサルファーム大調査 » 経営コンサルの基礎知識 » IPOアドバイザリーと経営コンサルの違い

IPOアドバイザリーと経営コンサルの違い

世の中にはさまざまなコンサルタントと呼ばれる専門家がおり、それぞれの業務範囲において顧客への価値提供を行っています。ここではその中でもIPOアドバイザリーについて、経営コンサルタントとの違いを紹介・解説します。

IPOアドバイザリーの業務内容

IPOアドバイザリー(Initial Public Offering Advisory)は、企業が初めて株式を一般投資家に公開する際に、そのプロセスや戦略をサポートする専門的なアドバイザリーサービスです。IPOは、非公開企業が公開企業になる過程、つまり株式が上場され新規株式が公開されることを指します。

IPOアドバイザリーの主な役割と業務内容としては、まずIPO戦略の策定が挙げられます。IPOアドバイザリーは、企業の特定の目標やニーズに基づいて、最適なIPO戦略を策定します。企業の評価、株式の価格設定、時期の決定など、IPOに関する重要な決定を支援します。

また、法務や規制関連の支援も行い、企業が適切な法務・規制要件を満たすようなサポートをしてくれます。証券法や金融規制に関するアドバイスや準備、証券取引所との連絡などを行います。

他にも、企業の財務状況や業績の評価する財務デューデリジェンスを行い、企業の財務報告書や内部統制の整備、将来の成長見通しなどを評価し、投資家に対して信頼性のある情報を作成・提供してくれるサービスもあります。

IPOアドバイザリーが持つ資格

IPOアドバイザリーを行うにあたり必須の資格があるわけではありません。資格というよりも、実務経験や過去に参加したIPOプロジェクトの実績の有無が重視されます。

ただし業務の関係上、金融関連の資格・会計士資格・法律関連の資格などをもって仕事をされている方も多くいらっしゃいます。

IPOアドバイザリーが解決できる課題

すでに述べているように、IPOアドバイザリーは株式上場のサポートをしてくれます。事業が成長し、経営も安定してきたので、株式上場を検討している企業が対象になります。

経営コンサルタントとの領域の違い

IPOアドバイザリーは上場準備段階の企業に対して、様々なアドバイスをしてくれるコンサルタントです。一方でIPOアドバイザリーは、守備範囲における高い専門性は持っているものの、他の分野では意見を求めるのが難しいケースもあります。

一方で経営コンサルタントと呼ばれる方たちは、総合的な経営相談に対応しており自身が専門性を有していない業界であっても論理的に物事を考え、恐れることなくその事業に関与していきます。

公認会計士や税理士は独占業務が存在するのに対して経営コンサルタントには独占業務が存在しないため、仕事を囲うことなくさまざまな場面に積極的な関与を行います。経営コンサルタントの価値提供でもっとも重要なのは「経営状態を良くする、もしくは良い状態を維持・発展させる」という結果を出すことです。事業に邁進するクライアントにとってプラスに働くような業務であれば積極的に関与・提案し、経営者のパートナーとして伴走し続けてくれるでしょう。