このページで取り上げるIRとは「Investor Relations」の略であり、企業が株主や投資家に対して投資判断に必要な情報を適時・公平・継続して提供する経営責務のことをいいます。これは企業の証券が公平な評価を受けることを目的としており、高品質なIRを実現するためには企業が書くステークホルダー間のコミュニケーションを活発にしたうえで財務活動や証券関係法に関するコンプライアンスを自主的・積極的に守る必要があります。
IR活動は市場における円滑な資金調達に貢献するとともに企業価値の向上に寄与します。企業は自らの経営判断における正当性や根拠について分かりやすく説明する必要があり、IRの質の向上は特に個人投資家が増加している社会的背景を考えると企業の評価を大きく左右する要素となります。このIRの良し悪しによって企業は投資家や社会からの評価を高めたり、また反対に損なってしまう場合があります。これらの要素が株価に対して敏感に影響を与えることから、企業活動におけるIRは重要視されています。
IRコンサルタントは上場企業や公開予定の企業を主要な顧客としており、それらの経営陣と密に連携しながらIRに関連する総合的なサポートを行います。具体的な仕事内容としてはIRに関する企業の課題抽出・問題提起と解決策の提案サポートや中長期的なIR戦略の策定支援、資金調達のための財務資料・レポートなどの作成支援です。
他にも情報開示や投資家説明会における助言・支援やIR用のWEBサイトの制作や運営などがあり、これらの全ての業務に関する知識やノウハウ・スキルがIRコンサルタントには求められます。多面的で総合的なスキルが必要になりますが、そのサポート次第でクライアントの企業価値を大きく向上させることができる可能性もあるため、重たい責任が伴うと同時にやりがいも大きく感じられる仕事です。
かつての株主総会は、多くの企業にとって「年に1度のイベントであり、なんとかやり過ごせたらいい」というような場面に過ぎませんでした。しかし現代におけるIRはその意義や重要性が大きく変わってきており、その支援を行うIRコンサルティング会社の社会的意義もまた高まっている状況です。そんなIRコンサルタントが解決できる課題としては適切なIR活動を支援することによる株価の向上・安定や中長期的なIR戦略の策定であり、企業として市場でステークホルダーから理解を得ながら企業活動を維持・継続・発展させていくためのサポートとなります。
日本の株式市場はパンデミックなどの外的環境の影響を大きく受ける事態も発生しており、企業は本業以外の非常事態への対応にも追われています。そんな中、株主への情報発信やその対策を専門的に行うIRコンサルティング会社の存在感も再認識されています。
IRコンサルタントは上場企業・公開企業において株主や投資家などのステークホルダーに対して発信しなければならない情報開示に関するサポートを行っていますので、上場していない中小企業などはクライアントに含まれません。一方で経営コンサルタントはIRのみならず事業・財務など企業の経営活動に関するさまざまな課題解決を支援します。そのため、「企業経営」に課題を抱えている企業や経営者のパートナー探しは経営コンサルティング会社に相談することをおすすめします。