世の中にはさまざまなコンサルタントと呼ばれる専門家がおり、それぞれの業務範囲において顧客への価値提供を行っています。ここではその中でもSCMコンサルタントについて、経営コンサルタントとの違いを紹介・解説します。
SCM(Supply Chain Management)コンサルタントは、企業や組織のサプライ(供給)チェーンに関連する問題を解決し、改善を支援する専門家です。
サプライチェーンとは、製品やサービスにおける、原材料の調達から製造・物流・配送・顧客への提供までのプロセスを含む統合的なネットワークのことを指します。SCMコンサルタントは、企業のサプライチェーンにおける課題や改善のポテンシャルを評価し、最適な戦略やプロセスを提案してくれるコンサルタントです。
SCMコンサルタントの業務内容は、まずサプライチェーンの現状評価からはじまります。一口にサプライチェーンといっても、その範囲は広大で、様々なデータ分析や業務プロセスの解析を行い、問題の原因を明らかにします。
サプライチェーンの全体像の把握ができてから、原材料調達・在庫管理・生産計画・物流ネットワークなど、それぞれの領域での最適なアプローチを考案し、改善までの戦略を策定します。
SCMコンサルタントを行うにあたり必須の資格があるわけではありませんが、日本国内でSCMコンサルタントを目指す方に検討されている資格を紹介します。
SCMコンサルタントは、効率的なサプライチェーンプロセスの設計と改善を行います。原材料調達、生産計画、在庫管理、物流、顧客サービスなどのプロセス効率化を行うことで、生産性の向上やコスト削減につなげることができます。
また、供給源の多様化やリードタイムの短縮、予防メンテナンスの導入など、事業のリスク軽減も期待できます。
ここまで説明したように、SCMコンサルタントはサプライチェーンに関するプロフェッショナルとしてさまざまな業務を提供します。一方でSCMコンサルタントは、守備範囲における高い専門性は持っているものの、他の分野では意見を求めるのが難しいケースもあります。
一方で経営コンサルタントと呼ばれる方たちは、総合的な経営相談に対応しており自身が専門性を有していない業界であっても論理的に物事を考え、恐れることなくその事業に関与していきます。
公認会計士や税理士は独占業務が存在するのに対して経営コンサルタントには独占業務が存在しないため、仕事を囲うことなくさまざまな場面に積極的な関与を行います。経営コンサルタントの価値提供でもっとも重要なのは「経営状態を良くする、もしくは良い状態を維持・発展させる」という結果を出すことです。事業に邁進するクライアントにとってプラスに働くような業務であれば積極的に関与・提案し、経営者のパートナーとして伴走し続けてくれるでしょう。