コンサルタントというとさまざまな「●●コンサルタント」がいます。ここではそのうち「人事コンサルタント」と「経営コンサルタント」の違いについて、業務内容などを踏まえながら解説していきます。
経営資源といえば「ヒト」「モノ」「カネ」ですが、人事コンサルタントはその中でも「ヒト」に重点を置いたコンサルティングを行います。企業活動において「ヒト」は非常に重要な経営資源であり、一人会社でない限りは従業員を雇用し事業を運営していくこととなります。企業としてしっかりと稼いでいくためには「モノ」や「ヒト」をいかに滞りなく回すかも大切なポイントではありますが、感情を持つ「ヒト」をいかにうまく使えるかもまた重要です。人事コンサルタントはこの「ヒト」周りの課題解決や改善を支援します。
人事領域における課題は大きく3つ、「採用」「人事組織・制度」「人材育成」があります。企業を発展させていくためにはいつ・どんな人材を・どれくらい採用するのか、またその人材をどう育成するのか、その人材をどのような制度で運用していくのかをしっかり考えていかなければなりません。人事に関する課題の難しい点はヒトに感情があるということと、法律が絡んでくるということがありますが、人事コンサルタントはその領域の専門家ですから、それぞれに最適なソリューションを提案してくれることが期待されます。
人事コンサルティングを専門に取り扱っているコンサル会社は人事制度や給与体系、採用などを通して企業のさまざまな経営課題解決を支援します。労働法規やモチベーション対策などの人事・労務に関するノウハウを豊富に持ち合わせているコンサルタントが在籍しており、さまざまな課題にアプローチしてくれます。
コンサル会社の中には総合的な経営コンサルティングを提供する大手ファームなども存在します。そういったコンサル会社の場合はどこか一つに突出した専門性を持ち合わせていなくても、社内のあらゆるノウハウを駆使しながら課題解決を支援します。また、必要に応じて他の専門家とも協力しながらコンサルティングを行います。
システム販売会社が人事系のコンサルティングを行うケースもありますが、そういった会社のコンサルティングは人事評価や労務管理などの独自システムをソリューションとして経営課題の改善を支援します。豊富な顧客事例やデータを持っていることが多く、あらゆるパターンへの対応が期待されます。
人事コンサルティングを提供しているコンサル会社はマーサー・ジャパンやタワーズ・ワトソン、コーン・フェリー・ヘイグループなどの「ブティック系」と呼ばれるものやアクセンチュア、デロイトトーマツ、PwCコンサルティングなどの「総合系」、野村総研や三菱総研などの「シンクタンク系」とさまざまな種類・形態があります。外資系だけではなく国内企業もありますので、自社に合ったソリューションを提供してくれるコンサル会社選びが必要になります。
人事コンサル会社の強みは「ヒト」に関するノウハウや知識・経験の豊富さですが、総合的な経営コンサル会社であれば複数ある経営課題の一つとして人事系の改善支援にも取り組むことが可能です。人事に関する課題だけを抱えている会社であれば人事コンサルに依頼するのがベストですが、あらゆる経営課題を抱えている会社については経営コンサルタントに依頼することをおすすめします。