長い目で企業の存続を考えた際、経営を黒字体質に変えていくことがとても重要となってきます。ここでは、黒字経営のための手順について詳しく解説します。
経営を黒字化させるには、まず自社の現状の収支構造を知ることが重要です。収支構造を知るにあたっては、「収支分岐点売上」を求めることが大変役立ちます。収支分岐点売上とは、借金返済に耐えうるだけの利益をだすために必要な売上高のことです。収支分岐点売上は次の計算式によって求められます。
収支分岐点売上=(固定費用+借入返済額)/限界利益率(粗利益率)
収支分岐点売上と現状の売上との乖離を知ることで、課題や取るべき行動が見えるようになり、次のステップへ進むことができます。
現状把握ができたところで、次に利益率(粗利)改善について検討します。利益率(粗利)を改善できれば、先述で求めた目標値(収支分岐点売上)を下げることもできますので、シミュレーションしてみましょう。方法としては主に次の3つがあげられます。
売上高の拡大も黒字化を考える上で外せない要素となります。方法としては、次の2つがあげられます。
黒字化が見込めるようになるまでに時間を要する場合、その間の資金繰りを予め検討しておかなければいけません。まずは借入せずに済むよう、土地などの自社資産を譲渡するなど内部で資金調達する方法を検討します。次に、前金の授受や支払サイトの短縮などを行い、運転資金を捻出するための対策を講じます。それでも資金が不足するようであれば、外部調達も視野に入れなくてはいけないでしょう。融資を受けるには、利益計画書や資金繰り表の他、目標達成への具体的な行動計画も求められますので、予め策定しておく必要があります。
上述のステップを踏んで黒字化へ向けての方向性が定まれば、あとは具体的な施策を練り上げて、「Who(誰が)・When(いつまでに)・How(どう取り組むか)」といったように行動に移せるレベルまで落とし込みます。また、計画を実施した後も、PDCAサイクルを回し続け改善していくことが非常に重要となってきます。
国税庁が発表している令和2年度の資料(※)によると、普通法人279万 560社のうち欠損法人(赤字企業)の数は173万 9,778社となっており、全体の62.3%もの割合を占めています。つまり、黒字経営できている企業は全体の4割にも満たないことになります。また、別のデータでは、起業後10年で3割、20年で5割程度の企業が廃業に追い込まれていることが示されており、黒字経営を続けることが容易ではないことが理解できます。黒字経営していくには、内部努力だけに限らず、経営に精通したコンサルタントの力を借りることも必要であると言えるでしょう。
参照元:国税庁HP(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/kaishahyohon2020/pdf/kekka.pdf)
黒字経営を続けていくには、手段だけにとらわれすぎても上手くはいきません。今回の記事でも紹介したとおりゴールを見据えた上で戦略を練り上げていくことが、非常に重要となります。戦略を多角的に検討するには、経営の知識が豊富なコンサルに相談することが一番の近道であると言えます。
【愛知県版】中小企業におすすめのコンサルティングファームを見る
安定した経営を継続していくには、黒字体質の会社に導くことが重要です。現状や利益改善のシミュレーションなど手順を踏んで、黒字化へ向けての対策などを紹介しています。
競合優位性を確保し続けるには、参入障壁を築いて他社の追随を許さないことが重要です。参入障壁を築きたいけれど、どう着手してよいか分からないという経営者の方向けに、3つの戦略についてご紹介します。
新規顧客の獲得は、企業が事業を拡大していく中で取り組まなければいけない課題です。新規顧客を獲得していくためのステップなどを紹介しています。
既存商品だけでは売り上げが改善しないなどの悩みがある会社は、商品やサービスの改善が必要な時期であるのかもしれません。このページでは、既存商品・サービスの改善の仕方やマーケティングの手法についてご紹介します。
中期経営計画に設備投資について盛り込む場合、投資額が多額となるため、慎重な検討が必要となるでしょう。この際、設備投資の実行プロセスや補助金制度などについて紹介しています。
売上は上がっているのに、収益が落ちているような場合は、利益率に原因があることが考えられます。経常利益や営業利益など利益別に要因分析を実施し、利益率を低下させているコストを突き止める必要があります。
労働人口が減少傾向にある中で優秀な人材を確保していくことは、会社の将来を考える上でとても大切です。企業の認知度をあげる「採用ブランディング」を実施することで、採用ミスマッチの防止や優秀な人材を集める事につなげることができます。
社会的な信用を上げることは、ビジネスを行っていく上で欠かすことができません。企業が社会的信用力を上げる方法の一つにIPOがあります。IPOによって、社会的信用力が増すだけでなく、知名度の向上など様々なメリットが期待できます。
長期的な売り上げを伸ばしていくには、新サービスや新商品の開発が外せない要素になってきます。開発にあたっては、コンセプトを明確にするだけでなく、事業モデルの構築や事業計画書の作成なども必要です。
事業を拡大していく中で、課題となるのが販売先の確保。モノを購入する人のニーズはどこにあるのか、どのようにしたら新たな販売経路を獲得できるのかについて説明しています。販売経路を拡大するうえでどのようなアプローチをすべきかもご紹介します。