コンサルタントは世の中に星の数ほどいますが、それぞれ業務内容や得意領域が違います。ここでは「戦略コンサル」と「経営コンサル」に焦点をあて、その違いについて解説します。ビジネスにおけるパートナー選びを検討されている方は、ぜひ参考にして下さい。
経営コンサルは経営に関する総合的なコンサルティングを行う仕事ですので、「広く浅く」というイメージです。専門的な課題に直面した場合にはその課題解決を支援するというよりも、課題解決するための方法・思考の整理を行い、場合によってはその領域の専門家に協力を仰ぎます。
一方で今回取り上げている戦略コンサルはクライアントにおける全社的な戦略、事業戦略、新規事業を立ち上げる際の戦略など、上層部の意思決定や判断を行うための支援を行うことが中心業務となります。
つまり、経営コンサルティングが目標やニーズに向けて経営を執り行うにあたってのアドバイスや支援を行うのに対し、戦略コンサルは全体の目標や「今後どうしていくか」という中長期的な道筋の策定・検討を支援するというのがそれぞれの業務内容の違いになります。
戦略コンサルの大まかな業務については先に述べた通りですが、それでは具体的にどのような課題を解決できるのでしょうか。
まず主要業務としては戦略策定の支援がありますから、「苦しい事業や部門をどのように黒字化するか」や「新規事業に参入すべきか」「全社的に今後どう成長・拡大していくか」などといった経営課題を解決するための方法を考え、ステークホルダーの間で共有できるよう整理・立案します。経営課題がある中でどのように解決すればいいか分からない、どこから手を付けていいか分からないようなクライアントに対して、専門的かつ第三者的な見地から戦略策定支援を行うことで、「今後何に取り組めばよいか」を明確にすることができるでしょう。
戦略コンサルにもいわゆる大手がおり、有名なファームとしてはマッキンゼーやボストンコンサルティンググループ、ベイン、ATカーニーなどがあります。やはり外資系が多く、専門的な知識・ノウハウを持つコンサルタントが多く在籍しているため、さまざまなニーズに対応できるでしょう。
また、アクセンチュアやデロイトトーマツなどといった総合系コンサルティングファームでも戦略策定を支援する部門があります。パートナー選びを行うにあたっては、その会社の歴史やバックグラウンド、企業風土も知っておくとよいでしょう。
経営コンサルと戦略コンサルは、対象となるクライアントの業種や業界・事業領域において特に違いはありません。どちらも幅広い業種のクライアントに対してコンサルティングを行うことになります。
一方で提供するコンサルティングの領域の違いですが、前に述べた通り経営コンサルは「浅く広く」というイメージですから、幅広い業務についてさまざまな支援を行います。戦略コンサルについては「戦略策定支援」という部分に重きを置いていますが、場合によってはそこから後ろに続く業務としてオペレーションの改善支援やM&Aも含めたデューデリジェンスの実施にも対応することがあります。