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販路拡大をしたい

顧客にさまざまな価値を提供する商品やサービスも、売り先がなくては売上になりません。この売り先を獲得し広げていくことで、より多くのエンドユーザーに対して自社の商品・サービスを提供することができるようになるのです。

販路拡大とは

販路とは販売経路を略した言葉であり、販路拡大とは販売経路を広げていくことを意味します。売り先を広げるということはその販売する商品やサービスを買ってくれる先が増えるということですので、買う人のニーズは欠かせない視点の一つです。いわゆる「マーケティング」はこの販路拡大において重要なポイントであり、モノやサービスを売っていく事業を運営するうえでは必要になる視点なのです。

売り手の「売りたい」という気持ちや考えだけではなく、買い手の「買いたい」という需要をいかに創出するか、いかにそのニーズを拾い出して的確なアプローチを行うか、という点が販路拡大においては欠かすことができない大切な観点であり、ここに戦略がない販売活動の成功率は低くなってしまうでしょう。

販路拡大で得られる効果

より多くの先に販売できる

販路拡大と一言で言っても、その方法はさまざまです。オフラインはもちろん、近年ではWEBでの販売経路を広げている事業者も多くなっています。また、販売経路は必ずしもメーカーと最終消費者の繋がりだけを指すものではなく、間に卸業者や小売店などが介入することも一般的であり、その卸先や販売店を増やすことも販路拡大のひとつです。つまり直接最終消費者への販売経路を増やすこと、消費者に販売してくれる業者の取り扱いを増やすことなど全てを含めて「販路拡大」と呼ぶことができます。

売上増加だけではない

販路拡大をするメリットですが、単純に販売数を増やし売上が増えるという点もありますがそれだけではありません。自社で製造した商品や開発したサービスを販売するにあたっては、製造原価の他に販売にかかるさまざまなコストが必要になります。しかし例えば卸業者や販売店に対する売上を増やすと、その後の販売にかかるコストが自社負担でなくなるため、採算がとりやすくなります。さらに、複数の販路を抱えておくことができれば一つの販路に何らかのトラブルが発生したとしても他の販売先で販売を継続することが可能になるなどリスクヘッジの効果も期待できます。また、場合によってはその卸業者や小売店が販売活動として広告宣伝も行ってくれることがあります。

販路拡大のための戦略の立て方

マーケティング戦略

前述の通り、販路拡大においてはマーケティング的な観点が欠かせません。分かりやすい例えでいうと「釣り」があります。例えば釣り堀があったとして、そこに決まった魚がいてその魚の好きな餌を付けた釣り竿を用いることで魚を釣ることができます。しかしながら「そもそも魚がいない釣り堀」であったり、「魚が好まない餌で釣っている」という状況が前提にあったとすれば、どれだけ時間をかけたとて釣れるはずがありません。この当たり前の観点で市場やターゲットの分析・調査を行い販売戦略の検討を行うことがマーケティングの考え方です。

マーケットインとプロダクトアウト

商品やサービスの開発手法は大きく分けて2つあり、まず1つ目が「マーケットイン」です。マーケットインは「消費者が必要とするモノ・サービスを提供する」という観点で開発を行うものであり、需要ありきの考え方です。もう1つが「プロダクトアウト」であり、「開発してから販売方法を考える」という観点です。これは作り手の意思が前提に立ちますが、どちらの開発手法にしてもそれぞれに合わせたマーケティング手法の検討が必要になります。また、消費者を相手にするBtoCなのか、それとも法人を相手にするBtoBなのかによっても販売戦略は変わってきます。

販路拡大の手法

それでは実際に販路拡大を行う場面を想定した時に、どのような方法が考えられるでしょうか。ここではオンライン・オフラインの2通りに大きく分けたうえで、どのような販路拡大手法が考えられるかを紹介していきます。自社の商品やサービスにはどの手法が合っているかを考えながら、参考にして下さい。

インターネットを利用した販路拡大方法

Web

どの企業もよく取り入れているオンラインでの販路拡大方法の一つにWebがあります。これは自社ホームぺージをはじめ、自社のサービスや商品を縦長の1ページで紹介するランディングページなどの方法があります。自社独自のコンテンツで自由に魅力をアピールすることができるため、取り入れやすい手法の一つです。また、ECサイト機能を付けることで直接の販売を行ったり、お問い合わせフォームによって顧客対応を行うことができる点も魅力の一つです。

SNS

近年増加しつつある販路拡大手法の一つにSNSがあります。SNSはスマホを持っているユーザーであれば誰でも簡単に見ることができるうえに、興味のあるコンテンツは「いいね」や「共有」などによって拡散される効果も期待できます。さまざまなキャンペーンなどにより多くのインプレッションを集め、より拡散力を強める戦略も有効です。さらにどの発信の反応がよかったかなどの分析ができるSNSもあるため、効果検証が行いやすいという特徴があります。

広告

最近ではテレビCMよりもインターネット上の広告取り扱い金額の方が大きくなっているなど、オンラインにおける広告効果は非常に期待できるものがあります。検索エンジンのGoogleであれば通常の検索結果とは別に表示されやすくなるリスティング広告やYouTubeなどの動画広告、ブログやSNSで多く運用されている成果報酬型のアフィリエイト広告など、さまざまな形態のあらゆる広告が展開されています。これらは一定のクリック数や再生回数、購入実績などに基づき広告費がかかる仕組みになっているため、効果検証も行いやすくなっています。

ウェビナー

対面機会の減少に伴いリモート会議などが発達し、セミナーや講習もオンラインで行われることが多くなってきました。Webで行われるセミナーはウェビナーと呼ばれますが、こういった企画も販路拡大には活用できます。例えば無料でウェビナーを開催し、その中の情報提供として自社のサービス・商品を紹介する形を取ると、ウェビナーのコンテンツ内容をフックに販路拡大へ取り組むことが可能です。アンケートなどで参加者の声を直接回収することもできますので、今後の活動にも活用することが可能になります。

オフラインでの販路拡大方法

ダイレクトメール

ダイレクトメールというとアナログな方法であるイメージを持ちますが、顧客のもとに自社の商品やサービス内容を送り、認知度を高めるための手法としては一定の効果が期待できます。このダイレクトメールを誰に送るのかという顧客リストの洗い出しは広告投資の効果検証において重要なポイントとなりますが、クーポンなどを付すことで回収率の確認もしやすい手法となっています。

展示会・セミナー

Webで行うウェビナーと同様に、発信するコンテンツをフックに集客できる販路拡大手法です。ただし、オフラインでの展示会やセミナー開催の場合、画面越しではないことからコミュニケーションが取りやすいこと、また商品を販売する事業である場合には実際に現物を見てもらいやすいというメリットもあります。また、直接コミュニケーションを取れるという点は今後の改良や開発などにも活用できる情報が入手できる可能性にも繋がります。

顧客紹介

販路拡大において大きな効果が期待できる方法の一つに顧客紹介があります。世の中にはさまざまな企業があり、代理店など営業を中心に事業を展開している会社も少なくありません。こういった企業は自社で開発や製造は行わずとも、あらゆる製品を販売に繋げていることから多くの顧客情報を抱えていることが多いです。そのためそういったところに営業を委託したり顧客を紹介してもらうなどすることで、より多くの販売先を獲得できるでしょう。

飛び込み営業・テレアポ

さらにアナログな販路拡大手法として飛び込み営業やテレアポもあります。これは企業や個人の自宅に訪問して販売促進を行ったり、電話をかけて営業を行う手法です。ここまで紹介した販路拡大方法の多くは自社から情報などを発信し反応を待つというどちらかというと受動的な手法が多かったですが、飛び込み営業やテレアポは積極的に顧客を獲得しにいく能動的な手法です。一方で「営業がしつこい」というネガティブなイメージがついてしまうこともありますので、注意が必要です。

販路拡大を成功させるには

外部業者に依頼する

販路拡大を成功させるためには多くの経験・技術やノウハウが必要になります。さまざまな業界で販路拡大を行ってきた経験があるような営業代行会社やコンサルティング会社であれば、より効率的でリスクの少ない手法を知っていることがあります。プラットフォームの運営やマッチング機会の創出、マーケティング支援などさまざまなメニュー提供を受けることができますが、その中から自社に合った支援メニューを依頼するとよいでしょう。また、どれかに特化している業者に依頼するのも効果的です。こういったマーケティングや販売戦略に自信がない方は、その前提となる自社の強み・弱み・商品・ターゲットなどの分析から経営コンサル会社に依頼してみてもよいかもしれません。

行政に相談する

外的要因によって市場の需要が急激に縮小した場合など、政府や行政が税金を投入し販路拡大に力を入れていることがあります。他にも色々な目的で地域の商工会議所などもこういった需要・販路の拡大に尽力していることがあり、さまざまな補助金制度や事業運営などを行われています。もちろん民間の法人や団体が業界を盛り上げるべく開催しているイベントなども世の中にはたくさんありますが、政府や行政・商工会議所などが実施している場合は「公的な組織が主催している」と箔がつくこともあり、より高い信頼度が期待できるでしょう。マッチングや展示会への出店支援、海外向け商談会、EC支援などあらゆる支援が行われています。

まとめ

まずは自分のことを知ろう

ビジネスで勝ち抜いていくためには、ターゲットとなる顧客はもちろん競合のことも知り抜かなければいけません。しかしそれらを知るだけでは十分な戦略を練ることはできませんから、まずは自社の強みや弱み、商品・サービスのよさを知っておく必要があります。自社はどのような価値を世の中に提供できるのか、またその価値を求めている層がどういうところにあるのかを分析する必要があります。そのうえでそのターゲットはどこにどの程度いて、そこで戦うためにどういうことをしなければならないかを分析すると共に、場合によってはターゲットや市場に合わせた方向転換も必要になるかもしれません。

難しいことは専門家に頼もう

マーケティングの重要さが分かったとしても、いざ実際場面においては何をどうすればいいのかわからない、というのが多くの方の感想ではないでしょうか。そういった場合には外部業者に助けを求めることも有益です。「餅は餅屋」という言葉があるように、販売拡大については専門的な業者やコンサル会社に委託し自分たちはよりよい商品やサービスの開発に力を入れるという役割分担も必要かもしれません。最適なパートナー選びを行い、自社の販路拡大・価値向上に努めていきましょう。

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